やはりアダルトチルドレンには社会生活は難しい②
1週間の研修を終え、教育委員会に放り込まれた。
さて、右も左もわからない社会人ぼっちの俺は、戦々恐々としていた。
あー、みんな知らない人だ…。怖いなー怖いなー。帰りたいなー。
そんなことを思いながら適当に自己紹介を済ませ、担当する係に案内された。
俺の配属部署は、学校および教員の支援をする部署で現場と綿密な連携を取らなければならない部署だった。
課長も自治体の職員ではなく、都道府県の職員で出向という形を取っている。他にも現場教員から行政に出向している職員もいる。自治体職員の方が多いが、比率で言えば自治体職員:都道府県職員=7:3といったところか。そんな職場なので、もちろん俺は年齢でも最年少。一番年が近い人も6歳上だった。さらに、教育委員会は自治体組織とは別扱いとなるため、すでに自治体組織から若干切り離された部署となっている。
つまり、ぼっちの俺は組織の本流からも切り離されたということだ。
迂闊に「教育普及に関わる仕事をやりたい」なんて書くんじゃなかった…。
あーあ、帰りたい。
さて、俺の配属される係はと言えば「指導係」
うん、何を指導すんの?
まあ、色々探る中で中身を言えば、指導主事という出向してきている教員の仕事の中で事務仕事に関わる部分を引き受ける係と言ったところか。
というわけで、学校を指導する係じゃない。基本的にはね。
で、その係の構成員は係長、係員2名(俺を含む)に臨時職員1名ということになっていた。まあ、少ない方らしい。
係長も新しく移動してきた方、つまり構成員の半分は仕事がわからない。
俺以外の係員は小さいお子さんがいて、育児休を取りながら働くママさん、臨時職員の方は年配だが、この部署に10年以上いるベテランさんだった。
俺はと言えば、新社会人で右も左もわからない足手まとい。
しかも、俺以外は女性ばかり…。うわぁ、怖いなぁ…。
この係、大丈夫か?
色々不安要素が多いところに配属されちまった…。
ここは、女性のご機嫌を取ることから始めよう。同期になじめないぼっちが、やっていくにはそれしかない。
ちなみに仕事に関しては、ママさんが教えてくれるらしい。OJT教育というやつだ。
OJTなんて言えば、聞こえがいいが、結局のところ組織は新人研修をマトモにやらず、現場職員への丸投げだと俺は認識している。
あんな研修受ければね。そう思うよ。
ただ、このママさんはいい人で、とりあえず頼りになりそうだったので助かった。
そんなこんなで、とりあえず俺は初めて配属されたこの部署で失敗しつつやっていくことになったんだ。
数年後の自分が、どうなっているかなんて、この時は想像もしなかった。
ホント、今思うと馬鹿な奴だって思うね。