やはりアダルトチルドレンには社会生活は難しい①
2013年4月。俺は役人になった。
ホントは、他にも色々やりたいことがあったが、先行き不明の世の中で一人で生きていくには、やっぱ役人になるのがいいのかもしれないと思い、公務員になったわけだ。俺が就職したときは公務員人気、高かったしね。
そういうわけで滅私奉公の精神で働こうという抱負を胸に庁舎に向かう自分がいた。
今思えば、世間知らずのおバカな新社会人だと思う。この時のことを思い出すと思わず吹いてしまう。いやぁ恥ずかしいね。
まあ、当時の俺はホントに純粋でいい奴だったんだよ。うん。
そんなこんなで、期待と不安で胸いっぱいの俺ちゃんは、庁舎に向かっていたんだ。
庁舎での集合場所は会議室。ここで一週間、同期との研修が行われるらしい。
民間に行った友人は、3月から研修が始まっていると聞いていたし、一週間で職場にぶち込まれた後のことを考えると非常に不安だったが、郷に入っては郷に従えというありがたーいお言葉で自分をごまかし研修が始まるのを待っていた。
とりあえず、ぼーっと自席で研修が始まるのを待っていたのだが、周りの同期たちは既に既知の友人同士のように談笑していた。
え?この人たち、もうこんな仲いいの?
どこでこんなに仲良くなったの?
そういえば、2月に同期全員、顔合わせで集められたとき、飲み会やるとか言ってたな。俺は、修論が忙しくて顔出さなかったんだよな…。
はい、ぼっち確定。
と、俺がぼっち確定するまでの過程を推理していると研修が始まった。
とりあえず、この一週間の研修の予定が書かれたレジュメが配られ、それに目を通す。
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おい!ほとんどお偉いさんとか先輩職員のありがたーいお話しばっかじゃねえか!
あとは……施設見学?これくらいしか実務に役立ちそうにねえな。
一週間かけてこの内容とか、来週が不安で仕方ないぜ…。社会人一日目で絶望を味わったぜ…。ぼっちの俺にこれ以上追い打ちかけないでくんない?
と、俺が一人絶望しているうちに研修は始まった。
案の定、役人の心得などのありがたいお話は催眠術のように眠気を誘い、同期の何人かはすでに夢の中。こいつら税金で給料もらってんのにいい度胸してんな。
こんな連中とこれから働くのかと思うと反吐がでるぜ…。
とか、当時は思ったりもしたが、今思うとこんな研修してる組織がどうかと思うぜ。なんの意味あんの、これ?紙っぺら一枚で済まない?
まあ、研修で寝てる職員とか、皆さん税金払いたくないですよね?会社全体の問題ですね。ごめんなさい。
そんな研修が四日ほど続き、1日は施設見学という名の遠足にいった。
ホント内容の無い研修期間だった。ここに書くこともほぼ無いまである。
とにかく一週間、催眠術に耐え、最後に仲良しこよしで遠足に行って一週間終わりました。
何だこれ?改めて文字に起こしたら、ホントにアホくさいな。
そんで、最後に待ちに待った配属先が発表されたのだった。
さて、俺の配属先は…
『教育委員会』
「な…何…だと?」
おいおい!保育士一人以外、同期誰もいないじゃねえか。そもそも保育士は幼稚園に常駐だし、実質教育委員会に配属されんの俺だけじゃん!ぼっちの俺をこれ以上追い込まないでって言ったじゃない!ナニコレ?
まあ、この一週間で同期ともそんなに仲良くなれなかったし、すでに施設見学で博物館行ったときに学芸員の血が騒いじゃった俺のことは同期に変人認定されてるから、同期と一緒だったとしても、ぼっちという現実は変わらないけどさ。
やれやれ。マジでこれから不安だわ…。
ホント、公務員としてやっていけるのかね。俺は。